老老介護

老老介護の問題点は何か?

老老介護の問題点・希望が見えない

介護はよく子育てと比較されます。「赤ちゃんの頃、食事の世話から下の世話まで全部してもらったんだから、今度は恩返しをするべき」というのは親の介護をしようとしない子供を諭す定番でもあります。

 

でも子育てと介護の大きな違いは、赤ちゃんがどんどん成長して手がかからなくなっていくのに対して、老人患者の介護は病状が良くなる事は少なく、むしろ悪化する事の方が多いのです。

 

医療が不十分だった昔は「看取りは三月」と言われたように、3ヶ月も寝たきり老人の世話をすればその死を看取る、というのが普通でした。けれど現在は医療の発達により、寝たきりであっても何年も何十年も永らえることもあります。

 

しかし介護する側も同じ老人であれば、世話をする体力や気力が先に尽きてしまう可能性が高いのです。

 

2006年に厚生労働省の研究班が実施した全国8500人の介護者アンケートによると、高齢者らの在宅看護を担う65歳以上の介護者の約3割が「死んでしまいたい」と感じたことがあると答えています。

 

また、多くの老介護者は「終わりが見えないというのが大きなストレス」といいます。

 

 

老老介護の問題点・共倒れ

介護者が「死んでしまいたい」と思わなかったとしても、結果として介護疲れによる過労死や病気になってしまったという例は後を絶ちません。

 

寝たきりの老人患者は自分で寝返りすら打てないことが多いため、床ずれを起こしがちです。そこで介護者が身体を抱えて数時間おきに姿勢を変えなければならないのですが、介護者も老人であるため力が入らず、逆に自分が捻挫や骨折などの怪我を負ってしまうケースが多いのです。

 

寝たきりでなく、少しは歩ける老人患者の場合でも、風呂やトイレの介助の際に腰を痛めてしまうことは、プロのヘルパーでもよくあることです。

 

こうした事故がきっかけで介護者も寝たきりになってしまったり、ひどい場合は先に介護者の方が亡くなってしまうことも。そうなると、残された寝たきりの老人患者までも共倒れになってしまうという、最悪の結末になりかねません。

 

 

老老介護の問題点・プライバシーと世間体

介護保険制度が開始されて数年が経ちますが、今もなお高齢者の中には、介護保険の制度を正しく理解していなかったり、見ず知らずの他人に介護を委ねることへの抵抗感から制度の利用に消極的な人が少なくないのです。

 

「人間性のなくなっていく妻を、ほかの人には見せたくなかった」

 

これは認知症の妻を介護疲れから殺害してしまった夫の言葉です。認知症の妻の病状や家庭の内情を他人に知られたくないという思いが強かったとのこと。

 

また長寿化と共に、親子間であっても老老介護問題は存在します。親が90歳以上であれば子供の年は60〜70歳になるので、介護者が親孝行したくても、心身の負担が大きく難しいのが現状。

 

特養老人施設に入れたくてもお金もかかるし、何年も入所待ちをしている人も多いのです。

 

また経済的余裕があり、運良く空きの出来た特養老人施設などに入れることができたとしても、周囲から「姥捨て山に入れた」などと批難されることもよくあります。特に長男の嫁に対してはこうした世間の重圧は非常に大きいのです。

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