老老介護で起きた事件ニュース
老老介護の末に心中
老老介護から起きた事件の中でも特に有名なのが、2005年11月福井県で起きた「福井火葬場心中事件」です。
30年以上使われていなかった火葬場の火葬炉の中から、近くに住む80歳の男性と82歳のその妻の白骨焼死体が見つかりました。
二人は近所でも仲の良いと評判の夫婦でしたが、妻は持病の糖尿病が悪化してほとんど歩けなくなっていた上に、数年前から認知症が出始めていました。子供がいなかった事もあって、夫が妻の介護をはじめ家事もすべて担っていました。
ただ、死後に届いた市役所に届いた遺言状によると、住居や田畑などの不動産について詳細な記述と共に「遺産は全て市に寄付します」とあったことから、医療費などの金銭的問題よりも認知症が進行する妻との将来を悲観して、心中を考えたようです。
旧火葬場に炭や薪を持ち込んで荼毘の準備をし、二人一緒に火葬炉に入った後にロープを使って扉を閉めました。
遺骨は生前の仲睦まじさを感じさせるかのように寄り添った状態だったそうです。
老老介護殺人、そして後追い自殺
2005年の7月に名古屋で起きた67歳の夫が74歳の妻を殺害した事件も、認知症がきっかけでした。
事件が起こる3年前に妻が脳梗塞で倒れ、アルツハイマー性の認知症であることもわかりました。医師から「介護保険を申請し認定されれば、介護サービスが受けられる」ことも聞きましたが、妻の回復を信じていた夫は、「他人の世話になる必要はない」とケースワーカーに相談する事を拒否しました。
夫が1人で認知症の妻を支える“老老介護”が始まりましたが、妻は近所を徘徊し行方不明になるなど、認知症の症状が進展していきます。さらに介護を始めて1年8か月たった時に、妻は転倒して足を痛め、そのまま寝たきりとなってしまいました。夫自身も心臓に持病を抱え、介護に限界を感じ出したのです。
「丈夫でもない自分が、この先寝たきりになった妻の面倒をみていけるのかと考えると、絶望的な気持になってしまった…」
そしてついに妻の首を絞めて殺害。自分も自殺しようとして死にきれず自首しました。裁判では情状酌量を認められ懲役3年、執行猶予5年という判決が出たものの、拘置所を出た4日後に「ごめんなさい」という遺書を残して、夫も自殺してしまいました。
老老介護疲れ「自分が倒れたら…」
2002年の5月に佐賀県で起きた84歳の男性が足の不自由な80歳の妻を車椅子ごと川に転落させ、無理心中をはかった事件も「自分の健康に不安を感じ、回復の見込みがない妻と一緒に死のうと思った」と夫が語っています。
2007年の12月には奈良県で、長年介護してきた統合失調症の61歳の妻と、末期がんを宣告された自身の将来を悲観して無理心中を図り、妻を絞殺しながら死にきれずに自首した67歳の夫の事件もありました。
余命数カ月との宣告を受けた際に、この夫は「自分が先に死ねば、残された2人の子供や親族らに妻の介護をしてもらわなければならないが、そのような苦労をさせるわけにはいかない」と思い詰めて無理心中を決意したと言います。
また、2008年3月には千葉県で、82歳の寝たきりの妻を絞殺した87歳の夫が逮捕されました。妻は13年前の交通事故の後遺症で寝たきりで、夫も昨年から介護疲れで体調を崩していたとのこと。調べに対して「家族にこれ以上、迷惑を掛けたくなかった」などと供述していたそうです。
